ロード・エルメロイⅡ世の事件簿履修でウェイバー(エルメロイⅡ世)に沼落ち。
やたら調べてしまったので、布教がてらブログを作ってみました。
「面白くて」「かわいい」「主人公属性持ち」に、
「かっこいい」と「ダンディ」属性がつくとか、どんな特殊進化だよ・・・。

まとめた記事を見て、ウェイバー好きが増えれば本望。
 

ウェイバー(エルメロイⅡ世をふくむ)の変化の歴史

ウェイバー(エルメロイⅡ世をふくむ)の変化の歴史を発表順に紹介。
公式のイラスト引用多めです。
制作開始時期などがわかっているものも、メモしていきます。

劇的な変化が起きているので、ご注意ください。(心の準備的な意味で。





準備はよろしいですか?

わたしは『Character material』のあとが『Zero』を飛ばして『戦車男』だったので、ほんとになにが起きたのか、わかりませんでした。
『あのおっさんをどういじればヒロインになるんだよ!?』というぶつけようのないツッコミにしばらく悶えていた記憶があります・・・。
画像でいうと、こういうことです。

Zero・事件簿をはじめとする各種作品や制作者たちのあとがき・インタビューを読むうちに『無茶と奇跡が重なっての劇的変化(しかも現在進行中)』と気付き、今は面白くてたまりません。

ちなみに、最初にウェイバーが手に入れた奇跡は『2004~2007年の虚淵シナリオで生還できたこと』だと思っています。
小説版のウェイバーの性格、虚淵さんの作品傾向からして、ふつうにいったら雁夜おじさんコースです。
奈須さんが用意してくれた『生還』設定と『将来大成する小市民』設定に守られましたね。

最初の無茶は、どう考えても『Character material』。
SNアーチャーくらいの変化に、なぜ抑えなかったのかと。
あとはそもそもの話として、Zero小説未完結の状態で、おっさんのほうからデザイン公開しているという事実に驚きを隠しきれません。
いまだに読者を混乱に陥れているBefore、After。

TYPE-MOONのそういうチャレンジ精神にあふれるところ、好きですけどね。

前提

ウェイバー・ベルベットとロード・エルメロイⅡ世は同一人物

『ロード・エルメロイ』というのは襲名できる称号のようなもので、役職を表します。
ウェイバーの師であるケイネス・エルメロイ・アーチボルトが先代であり、義妹であるライネス・エルメロイ・アーチゾルテに将来的には引き継がれます。
つまり、ロード・エルメロイⅡ世はウェイバーが『ロード・エルメロイ』の役職に就いている状態と思ってください。

ちなみに、『ロード』は漢字で表記すると『君主』。

年表

Fate/Zero 1巻脱稿(2004年冬)

2004年の夏に虚淵 玄さん(以降、虚淵さん)に執筆を依頼し、2004年の冬には同人小説版の1巻が脱稿されたと、1巻のあとがきで奈須 きのこさん(以降、奈須さん)が書き綴っています。
脱稿が完成形ないし近い状態を指すのであれば、ウェイバーの登場シーンは書き終わっていたと思われます。
同人小説版の1巻ラストだとコンテナ倉庫でのバトル終了時までです。

Character material 発売(2006年08月11日)

読者視点での初出は、なんとロード・エルメロイⅡ世が先。

『Fate/Zero material』の総括対談によると、

「大成したウェイバー」をさりげなくだして、禁断の「前方尾行」ならぬ「先行伏線」をやろう

というチャレンジングな内容で、

その設定がさらに反芻されて、4巻のウェイバーエピローグとなった

とのこと。

ちなみに『Character material』はTYPE-MOONのネタ帳みたいな感じで、

今回掲載されているデザインは、実際に使用される時には変更される可能性がありますので、そのあたりはご了承の上お楽しみ下さい(笑)

とイラストレーターの武内 崇さん(以下、武内さん)が書いています。

そのときのデザインは、こんな感じです。

武内さんの絵柄からすると、イケメン枠ではなさそうです。
渋い。そして、強そう。

同人版Fate/Zeroの小説4巻完結時に同時発行されたメモリアルブック『ALL OVER/Zero』によればZero小説の制作は3年半。
『同人小説版Fate/Zero小説 1巻』のあとがきによれば、執筆は1巻だけ早く、あとは通常のペースとあったので、執筆完了時期は

同人小説版Fate/Zero 1巻 2004年冬
同人小説版Fate/Zero 2巻 2005年冬
同人小説版Fate/Zero 3巻 2006年冬
同人小説版Fate/Zero 4巻 2007年冬より少し前?(発刊が2007年冬なので)

だったのかもしれません。
だとすると2006年夏には2巻は出来ている計算になり、そのへんまで武内さんは読んでいたのではないかと思われます。
2巻ラストだと聖杯問答が終わったあたり。
まだまだウェイバーは逆ギレツッコミを炸裂させている頃です。

Fate/Zero1巻 発売(2006年12月)

同人小説版Fate/Zeroが冬コミで頒布。
ウェイバーのイラストが表紙と巻頭のキャラクター紹介に登場。

上のイラストは1巻巻頭の紹介ページのもの。
青年期一歩手前、生意気さが残るヘタレ少年らしいデザインです。
おでこに乗った、アホ毛がチャームポイント。

こっちのイラストは『Fate/Zero material』から。
エルメロイⅡ世とちゃんとデザインがつながっている感じがあります。

髪や瞳が緑がかって塗られることがあるウェイバーですが、この時点では髪、瞳とも灰色がかった黒。

Fate/Zero3巻 発売(2007年7月)

同人小説版Fate/Zero3巻巻頭のカラーイラスト、本屋のシーン。

瞳の色が緑がかった色で塗られています。
髪の色は灰色がかった黒のまま。
光の当たり方から見て、セーターの色の反射とも考えづらいので、作品途中だけど緑にしてみようと思ったのではないかと予想しました。

ALL AROUND TYPE-MOON ~アーネンエルベの一日~ 発売(2007年8月)

TYPE-MOONのクロスオーバードラマCD。通称、AATM。
ウェイバーのボイス初出です。

ネタバレ注意

小説完結前にボイスがついたよ!
しかも、Zeroの数年後。生存確定伏線!
時系列で並べていたときに「おぉ!」と思った1作品です。

ボイス担当は浪川大輔さん。

背の高い5次ライダー(172cm)を疎んだり、「正直なボクの意見だぜ」という珍しい言い方をしています。

5次ライダーへの嫌悪感は身長コンプレックスから発動するものなので、AATM制作時点でのエルメロイⅡ世は背が172cmより低かったのではないかと推測されます。
(まだまだウェイバーは成長期。186cmまで伸びるよ!という可能性もなくはないですが。)

「だぜ」という男っぽい言い回しも他作品では見かけないので、没案なのかなと思ったり。
エルメロイⅡ世の初期の頃の設定はこういう感じだったんだなぁと窺い知れる興味深い作品。

Fate/Zero4巻 & ALL OVER / Zero 発売(2007年12月)

同人小説版Fate/Zeroが4巻で完結。
『ALL OVER / Zero』は同時に頒布された、関係者の振り返り&お祝いメッセージ集です。

その奥付に掲載されている4コマのひとつがこちら。

左上がウェイバー、右上が舞弥。右下も舞弥。
イラストは公式アンソロ『Fate/Zero 黒』などを描いている雌鳥さんのものです。

舞弥との描き分け用にウェイバーの髪が服と同色の緑で塗られています。
ほかの人のイラストでも緑塗りされていたので、『ウェイバーの髪を緑で塗ることで舞弥と差別化する』という方式が関係者のなかで生まれていたのではと思わせるイラストです。

全身イラスト描いて並べてみるまで、髪型がウェイバーとまる被りということに気が付きませんでした(汗)

と、『Fate/Zero material』の舞弥のページで武内さんが弁明しているとおり、ウェイバーと舞弥は髪型も色もよく似てます。

必然性なく同作品内で同じ髪色かつ似た髪型のキャラは出さないものなので、『ほんとにキャラメイクを失敗したんだろうなぁ』『やっちまったな』感はあります。
二人の性格からいって妥当な髪型ではあるんですけど、見分けづらいですよねぇ。

その回避策として、ウェイバーの「髪色を緑」「瞳の色を緑」というノウハウが出てきたのかなと思いました。

Sound Drama Fate/Zero(ドラマCD)vol.1発売(2008年8月22日)

Fate/ZeroのドラマCD版。

「第四次聖杯戦争」のウェイバー・ベルベットとして、浪川大輔さんがボイスを担当。
AATMと比べると声が高く、かわいらしい印象です。
『エルメロイⅡ世との演じ分けで声の高さが変わる』はこの頃からあった模様。

エイプリルフール企画で戦車男(2009年4月1日)

2009年のTYPE-MOONエイプリルフール企画のひとつ。
「電車男」パロで、「戦車男」です。

ウェイバーが女の子で、相手役がイスカンダル。
性格ふくめてZeroとは違ったキャラ設定になっているのが特徴です。

ウェイバーがふつうに美少女。
いつもより目が大きく、ミニスカ、ハイソックスです。

雑誌の付録にアンソロCD(2009年7月)

コンプティーク2009年7月号の付録にアンソロCD「ノケモノたちの競演」。
ウェイバー&ライダーのコンビと女子高生時代の大河のお話です。
ウェイバーが年下の女の子に対するデレを見せる、珍しい作品。

Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ツヴァイ!(マンガ) 発売(2009年12月26日)

番外編にエルメロイⅡ世が登場。

『Character material』に準拠した外見で、額のアホ毛なし。

後ろ姿はこんな感じ。

Sound Drama Fate/Zero(ドラマCD)vol.4発売(2010年1月22日)

Fate/ZeroのドラマCD版、最終ディスク『煉獄の炎』。
ジャケ絵でのウェイバー優遇がすごい。
主役でしたっけ? むしろ、その感じはヒロイン? という。

『TYPE‐MOON 10th Anniversary Phantasm』に掲載されたユーザーに募集したみんなで作る用語辞典のコーナーでは

ZEROの真のヒロイン。ネタだネタだと思っていたがドラマCD最終巻のジャケ絵で核心を持った人は多かろう。

と紹介されているウェイバー。
たしかに、目も縦長になって、ヒロインっぽくなった印象。

ドラマCDの中身のほうはウェイバーの心の機微もボイスとして入っているので、橋のシーンは感動もの。
いい出会いだったよな! と思える内容になっています。

個人的にはジャケ絵はヒロイン。中身は隠れ主人公(笑)

Fate/Zero(マンガ)連載開始(2011年2月)

ヤングエース2011年2月号でマンガが連載開始。
マンガの作者は真じろうさん。

上のイラストは1巻から。
くりっとした大きな目で描かれているものの、かわいらしさ抑えめ。
主にネガティブ方向に大きく動く表情とシュールに近いコミカルな姿が印象的な作品。

ヒロイン度が高いシーンはさすがにかわいいです。
具体的には通販受け取り後の初デレシーンと本屋での赤面シーン。
ラブコメのヒロインか、という描かれ方です(笑)

橋のバトルの最後の泣いているシーンが成長を感じさせてくれる良い表情で、『いい出会いをしたんだな』と思わせてくれます。

Fate/Zero(アニメ)放映開始(2011年10月1日)

テレビアニメが放映開始。制作、ufotable。

アニメのウェイバーは異様にかわいい。
上のイラストはアニメの2話から。

制作陣のコメントを読むと、『かわいく描く』ことを選んでいるのが窺えます。
『Zeroのヒロイン』ネタに拍車がかかったコンテンツですね。

まさかアニメではこういう描き方をしてくるとは。
これ、完全にヒロインですよね?
元々の「ひねくれ生意気小僧」というデザインを引き継ぎつつ、本当に可愛く描いてくれています。

と、Blu-ray特典『Fate Zero Animation Material I』のなかで武内さんがコメントを寄せています。

はい。ほんとにヒロインでした。

アニメ版は、色を調べてみると、髪、瞳ともに若干、緑がかっています。

Fate Zero Animation Material I(2012年3月7日)

ZeroアニメのBlu-ray特典です。

Zeroアニメのヒロイン化を受けて、

真似て描いてみたものの、自分ではこれが精一杯。

というコメントとともに、武内さんが寄稿していたイラストがこちら。

充分、かわいいです!!
ヒロイン、ヒロインとネタにされながらも、ウェイバーは今までヒロインデザインではなかったのだなと思わせる一枚。

珍しく青みの強い緑で瞳が塗られています。髪は灰色。

Fate/Apocrypha(小説)3巻発売(2013年12月31日)

第3巻『聖人の凱旋』が発売。
ライネス、トリムマウと一緒に、エルメロイⅡ世のイラストが登場します。

イラストは近衛乙嗣さん。近衛さんのイラストはかわいいですね。
おでこのアホ毛があります。

Fate/stay night [Unlimited Blade Works](アニメ)(2014年12月28日)

アニメ『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』の最終話、ロンドン編で、ロード・エルメロイⅡ世が登場。
気難しい魔術師といった感じです。渋い。

ネットの書き込みを見ると、Zero視聴者のなかにもウェイバーだとわからなかった人がいた模様。
ビフォー・アフターがすごいことになってますもんね。

髪と瞳の色は灰色がかった黒ですが、じつは少し茶色に寄っています。
夕日の影響もあると思いますが、エルメロイⅡ世の特徴である鮮やかな赤い肩帯とのバランス調整ではないかと。
若いときの服は髪や瞳の色を緑寄りにしたほうが映えて、年齢がいってからの服装は赤寄りにしたほうが映えるという困ったお人です。

ウェイバーの特徴であるアホ毛がちゃんとあります。

ロード・エルメロイII世の事件簿(小説)1巻発売(2014年12月30日)

エルメロイⅡ世が主役の小説、『ロード・エルメロイII世の事件簿』1巻発売。
内弟子のグレイ視点で見ていく物語です。

上のイラストは1巻巻頭の人物紹介。

アニメUBWでの衣装はこの服装ですね。
髪の色と瞳の色は灰色がかった黒で、やや赤寄り。

Fate/Grand Order(ゲーム)(2015年8月12日)

諸葛孔明の疑似サーヴァントとして登場。
レベル上げしていくと、若返って、ボイスも性格も変わる仕様。
イラストは武内さん、ボイスは浪川大輔さんです。


同一人物なのに、髪色違いで出してきました!
エルメロイⅡ世、赤みがかった黒。ウェイバー、緑がかった黒です。
一方、目の色は同じなんですよね。灰色です。

ネットで読んで、『なるほど!』と思ったのはイスカンダルオタクが高じて、髪を赤く染めているという説。
もちろん、そんなことをするのは臣下歴が長い、こじらせてるほうですよ(笑)
検証してみました。

この色に髪を染めたいと思ったとしましょう。
だけど、ウェイバーの髪色は濃いめだったので、少ししか色が乗らなかった。
そうだった場合の状態が下のイラストです。

たしかに染めると、エルメロイⅡ世の髪色になります。
きっと染めてる!

あとはイラスト担当が武内さんなので、過去のイラストとの比較ができるのもいいですね。
ウェイバーは目の輪郭が丸いので、アニメ版に近い感じ。
エルメロイⅡ世は『Character material』の特徴を押さえつつ、ウェイバーのデザインとつながるようリデザインされた感じ。

あと第2再臨でメガネをかけるようになりました。
メガネ属性追加です。
知的キャラにはおなじみのパーツですが、増やしてきたかー、と思いました。

ロード・エルメロイII世の事件簿(小説)4巻発売(2016年8月14日)

小説版、第4巻『case.魔眼蒐集列車〈上〉』が発売。
事件簿でもメガネデビュー。

型月ではおなじみの『魔眼殺しの眼鏡』です。つまり、伊達メガネ。

Fate/Apocrypha(アニメ)1話放送(2017年7月21日)

アニメ1話で説明役としてエルメロイⅡ世が登場。
問題児の教え子、フラットと一緒に登場。

ApocryphaのエルメロイⅡ世は真ん中分けではないのが特徴。
髪の色と瞳の色は灰色がかった黒。少しだけ青寄り。
深紅のコート、黄色の肩帯が控えめな色合いです。

1話放送時点で、
・カウレスが登場する『ロード・エルメロイII世の事件簿』の小説5巻『case.魔眼蒐集列車 〈下〉』(2016年12月30日)
・フラットが登場する『Fate/strange Fake』の小説4巻(2017年4月8日)
が発売済みだったため、2作品の設定を吸収したものにみえます。

特に、エルメロイⅡ世のフラットへの対応がApocrypha小説よりも事件簿小説とFake小説を足したものに近い印象です。
レポート制裁でなく、デコピン制裁してるところとか。

ロード・エルメロイII世の事件簿(マンガ)連載開始(2017年10月4日)

『ヤングエース』2017年11月号でマンガの連載が開始。
担当は東冬さん。

おでこのアホ毛、あり。

基本、かっこよくて、コミカルなときは表情が崩れます。

ロード・エルメロイII世の事件簿(アニメ)第0話放映(2018年12月31日)

『Fate Project 大晦日TVスペシャル2018』で、0話が放映。

髪の色、瞳の色は灰色がかった黒。気持ち、赤寄り。

アップ時は瞳の色がワントーン明るめ。

回想シーンのウェイバーも髪の色、瞳の色は灰色がかった黒。
エルメロイⅡ世に合わせているらしく、気持ち、赤寄りというカラーリング。
髪色が赤に寄ってるウェイバーは珍しいですね。
肌や服も赤みがかっているので、ライティングの赤で髪色を揃えてみせるという選択をしたみたいです。

左がZeroアニメ、右が事件簿アニメの比較用画像。
肌の色が同じになるようにオーバーレイで色を重ねても違う色合いになります。

ウェイバー(=エルメロイⅡ世)の髪色はRGBの偏りのない灰色がかった黒で、光の加減で緑っぽくも赤っぽくも見えるという解釈ではないかと。
FGOのように別の髪色にはできないので、このへんが落としどころですよね。

ここから下はまとめ中。とりあえず、ざっくり年表だけ。

TYPE-MOON Fes.(2012年7月)

TYPE-MOON10周年記念イベント「TYPE-MOON Fes.」に参加した三田さんがウェイバーに感銘。 『ロード・エルメロイII世の事件簿』の企画が始まる。

Fate/Apocrypha(小説)(2012年12月31日)

 

ロード・エルメロイII世の事件簿(アニメ)第1話放映(2019年7月7日)